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浅田斉吾・村松治樹 オーストリアにかく勝てり 2018 PDC World Cup

2018年6月1日の最終試合となる2018年PDCワールドカップ日本対オーストリア。この試合に勝つという、日本チームは歴史的な快挙を成し遂げました。ダーツ 関係者からみれば、この勝利は間違いなく歴史的な快挙ですが、一般の人にこの偉業を伝えるのは困難を極めています。多くの人が、サッカーや相撲など他のスポーツに例えて説明しようとしていますが、形容し難いです。以下に試合運びを解説しましたが、なにか奇策を行ったわけではなく、まぐれがあったわけではなく、相手を騙したわけでもなく、邪魔をしたわけでもなく、自国から遠く離れたれたところで、応援も少ない中、素晴らしいチームワークで、二人のプレイヤーがそれぞれの能力を最大限に発揮し、全力を尽くして死闘を繰り広げて勝ちました。偉業中の偉業と言えます。

日本チームは浅田斉吾・村松治樹、オーストリアはMensur Suljović ・Zoran Lerchbacher。

Mensur Suljovićは以下のような輝かしい経歴を持つ選手で(Darts Databaseより)、直前に行われたPDC German Darts Masters World Seriesで優勝し、絶好調と思わせる状態でした。Zoran LerchbacherもPDC World Championship Last 32 2018に出場でき、Last 32まで行った選手です。

Mensurの主な経歴

Darts Databaseでは戦歴からランキングを出していて、Mensur SuljovićはDDBランキングで10位(2018)、Zoran Lerchbacherは77位(2018)。対して、浅田斉吾はDDBランキングで142位(2018)、119位(2017)、・村松治樹は371位(2018)、331位(2017)。

オーストリアはシード国。下馬評では到底日本が勝てるわけないと思われても不思議ではない状況で始まりました。


【レグ1】

501 – 418 浅田 83 (T20, 20, 3)
125 (5, T20, T20) Mensur 376 – 418
376 – 318 村松 100 (T20, 20, 20)
140 (T20, 20, T20) Zoran 236 – 318
236 – 259 浅田 59 (20, 20, 19)
46 (20, 7, 19) Mensur 190 – 259
190 – 160 村松 99 (T20, 20, 19)
100 (T20, 20, 20) Zoran 90 – 160
90 – 100 浅田 60 (20, 20, 20)
90 (T20, D15) Mensur (14本)1-0

レグ1/ラウンド1

浅田プロ: プロ1投目、T20ど真ん中下から入る浅田プロ。2投目S20の一本目の上に入り421残、3投目はT19狙うも3に外れ83点で418残。T19へのスイッチは水平に刺さるタイプなので、目標の上にダーツ があると弾かれる可能性が高いためと思われます。
Mensur : 1投目T20斜め下のS5に外すが、2投目T20真ん中のちょっと下のT20、1本目と2本目の間のT20。実力を見せつけました。

レグ1/ラウンド2

村松プロ : 村松プロも1投目でT20真ん中。2,3投目はT20上にS20。
Zoran : 1投目T20右ぎりぎりに入り、2投目、下に大きく外すS20、3投目T20真ん中。

レグ1/ラウンド3

浅田プロ: S20、S20と再びT20の上に入り、T19狙いに切り替えてS19に入り59で259残としました。少し悔しそう。259は次に100点だと3本では上がれない159になるが、浅田プロに期待される役割はそんなことでなく、圧倒的なスコアリングパワーです。
Mensur : T20に見えるようなS20の後、T20が狙いにくくなりT19を狙ってS7,S19に入り46。うなだれてZoranとグータッチ。

レグ1/ラウンド4

村松プロ : 259残で100打つと3本で上がれない159だったが、T20左にT20、T20の真ん中上にS20、T19に切り替えS19。しっかりスコアを160に整えました。
Zoran : T20の左、T20の右下にS20、1投目と2投目の間にS20で100。Zoranばらつきが大きいがT20に入ります。

レグ1/ラウンド5

浅田プロ: 160残からまたも浮き気味でT20の上のS20に二本入れて3投目はT20狙いにくくなりましたが、120残なのでそのままT20トライ。ダーツ にぶつかってS20に。ダーツ がなければ軌道的にはT20に入ったかもしれません。1ラウンド目、3ラウンド目は、自分の軌道がよくわかっていたから無理せずに19に行ったということがよくわかります。


Mensur : 90残をセオリー通りT20 D15。ほぼ真ん中でオーストリア1レグ目を取りました。

【レグ2】

134 (20, T19, T19) Mensur 367 – 501
367 – 361 浅田 140 (T20, 20, T20)
60 (20, 20, 20) Zoran 307 – 361
307 – 276 村松 85 (S5, 20, T20)
140 (T20, T20, 20) Mensur 167 – 276
167 – 191 浅田 85 (20, T20, 5)
85 (5, 20, T20) Zoran 82 – 191
82 – 51 村松 140 (20, T20, T20)
50 (19, T6, 13) Mensur 32 – 51
1-1(14本) 浅田 51 (19, D16)

レグ2/ラウンド1

Mensur : 1投目をT20のすぐ上のS20で、T20狙いにくくなり、T19狙いにして2本入れました。 134点で残367。
浅田プロ: ダーツ が浮き気味だった1レグ目から修正できるかがポイントになりましたが、1投目T20の真ん中下の浅田プロの軌道からすると絶好の場所に入れ、2投目、T20の下のS20、3投目T20の右上に入れ、140と見事に修正してきました。

レグ2/ラウンド2

Zoran : T20の左上に外してS20、次にT20下にはずしてS20、3投目、T20右下ぎりぎりだが外してS20で60。1レグ目はT20に入っていましたが、ややダーツ の着弾点がばらついている傾向はそのまま。
村松プロ : 1投目を大きく左上に外し、S5、2投目T20のワイヤでS20、3投目T20のど真ん中で、85。1投目外したときは全く表情を変えませんでしたが、T20に入った後でも投げ終わるとこの表情。

レグ2/ラウンド3

Mensur : 1投目2投目T20 T20ほぼ真ん中、3投目T20下でS20で140。167残として上がり目を出しました。
浅田プロ: 1投目またダーツ が浮いてT20上にS20。2投目かまわずT20狙い1投目の左をすり抜けT20。 しかし3投目はダーツ にあたり、左にそれてS5。1投目のダーツ の角度とフライトの角度が変わっておらず、2投目のダーツのフライトの角度が大きく変わっているので2投目のダーツ に当たったようです。右側はダーツ が上に被っているので左側を狙ったが、うまくスタッキングのように寄ってくれず弾かれて不運。

弾かれた瞬間この表情。

レグ2/ラウンド4

Zoran : 1投目を大きくS5に外すが、2投目T20下でS20、3投目にT20で85。ラウンド2の村松プロ、浅田プロに続いてこのレグ3回目の85。82残とする。Mensur はD14が好きなのでT18, D14とくるか、セオリー通りDB-D16でくるか。
村松プロ : 1投目T20の左上のS20の後、2投目そのすぐ下にT20、3投目空いているT20の右側に入れて140。下を向いて刺さる村松プロのダーツ であれば、目標の上に刺さればスタッキングが期待できます。T20の中で投げ分けているのが分かります。残51として、S19、D16でフィニッシュできる高さが合ったいい数字に揃えました。

レグ2/ラウンド5

Mensur : T18D14ではなく、82をセオリー通りDB狙いできました。S19に外れ、63残。63からT13狙うがT6に入り、45残となりダブルが打てなくなって最悪の展開。45残からS13に入れて32に調整。このあたりからMensurの機嫌が悪くなってくる。
浅田プロ: T19 D16と綺麗に同じ高さで2本決め、日本チーム2レグ目を取りました。

【レグ3】

501 – 321 浅田 180 (T20, T20, T20)
45 (20, 20, 5) Mensur 456 – 321
456 – 181 村松 140 (T20, T20, 20)
100 (20, 20, T20) Zoran 356 – 181
356 – 86 浅田 95 (T5, 20, T20)
134 (20, T19, T19) Mensur 222 – 86
222 – 58 村松 28 (T1, T2, 19)
58 (20, 20, 18) Zoran 164 – 58
1-2(14本) 浅田 58 (18, D20)

レグ3/ラウンド1

浅田プロ: テンポよくT20 の真ん中付近の左下、右上、中上に入れ、180。
Mensur : T20の下に二本、S20の後、体が泳いてS5、45点。

レグ3/ラウンド2

村松プロ : T20ど真ん中に2本の後S20で140。
Zoran : T20の上と下にS20の後、その間にT20を入れ100。

レグ3/ラウンド3

浅田プロ: Zoranが投げている間、後ろでニコニコしていました。投げる前も穏やかなにこやかな表情。T5に入り、ちょっと仕切り直し、T20の真下にS20、T20の右下にT20で95。ダーツ が浮かなくなりました。
Mensur : 第2レグのラウンド1と同じく、1投目がT20真上のS20に入り、2投目、3投目に T19 T19。で134。この時点でオーストリア222対日本86と大きく日本リード。

レグ3/ラウンド4

村松プロ : 86残からT18-D16狙いT18を狙うがT1に入り、83残。83残からT17-D16狙うがT2に入り、77残。77残からT19-D10狙うがS19に入り、58残。26点となるが浅田プロの180が効いており、相手のスコアはまだ222。
Zoran : T20から大きく上に外しS20、次に大きく下に外しS20、上がり目をだすため 18を狙いS18で164残。

レグ3/ラウンド5

浅田プロ: またも、このレグ取れたことがわかっているような、にこやかな表情でS18 D20を決め、第3レグを取りました。

【レグ4】

100 (T20, 20, 20) Mensur 401 – 501
401 – 321 浅田 180 (T20, T20, T20)
85 (T20, 20, 5) Zoran 316 – 321
316 – 241 村松 80 (20, 3, T19)
80 (T20, 20, アウト) Mensur 236 – 241
236 – 107 浅田 134 (20, T19, T19)
100 (20, T20, 20) Zoran 136 – 107
136 – 40 村松 67 (T20, 7, ミス)
100 (20, T20, 20) Mensur 36 – 40
1-3(13本) 浅田 40 (D20)

レグ4/ラウンド1

Mensur : T20の真ん中、T20のすぐ右下に二本外してS20 S20。100。ダーツ は安定しているが、投げ終わったあとなんで入らないんだというような残念な表情。


浅田プロ: またもにこやかにT20ど真ん中、ダーツ に当たったが2投目もT20の左、3投目は1投目と2投目の間に入り、180。本人もちょっと驚いた様子。

レグ4/ラウンド2

Zoran : にこやかな日本チームと比べて、表情が曇っていくオーストリアチーム。1投目T20真ん中上、2投目大きく下に外してS20、3投目左に外してS5。ダーツ がバラついているが、なんとかT20に一本入れてくる。
村松プロ : 20がT20下に入り、301残。T19狙いに切り替えS3、298残。T19で241残。

レグ4/ラウンド3

Mensur : 真ん中上にT20、その上にS20。3投目バウンスアウト。ダーツ のまとまり方はさすがだが、イライラしているメンサーをバウンスアウトがさらにイライラさせることに。


浅田プロ: Mensur 第2レグのラウンド1、第3レグのラウンド3と同じく、1投目T20真ん中真上に入ると、無理せずT19に切り替え、T19、T19で134。スコアリングパワーを発揮しました。

レグ4/ラウンド4

Zoran : S20 T20 S20。不思議なことに大きく外すが一本はT20に入れてくるZoran。
村松プロ : 107残からT20真ん中にいれ47残、S7の後、D20を惜しくもわずか上に外しました。ほとんどのアレンジ表で107はT19から入るように書いてあるのが多いですが、50残としてしまうとS10狙いでは隣のS15かS6に入るとダブルを狙えません。S18狙いでも隣のS4かS1に入るとダブルを狙えません。S14狙いでも隣のS11かS9に入るとダブルを狙えません。 しかしT20に入れて47残にできれば、S7狙いでS19に外しても28が残りD14が狙えます。

107からT19狙いが一般的なのはS7やS3に入っても、上がり目が残るからです。左のS7に外れれば100残からT20-D20、右のS3に外れても104からT20-DBでまだチャンスが残ります。T20狙いは縦ラインを外さない上級者向けのアレンジに思えます。または、ここで上がるよりも数字を整えることを重視したのかもしれません。この場合、最後の40も上に外して浅田プロに40を残しています。

レグ4/ラウンド5

Mensur : 136残からT20を下に外しS20。116残からT20左隅に入れ、56。そのあとS20に入れ36へ。
浅田プロ: 40残から一本でD20で5レグ目を取ってAUS-JPN 1-3としました。

【レグ5】

501 – 321 浅田 180 (T20, T20, T20)
134 (20, T19, T19) Mensur 367 – 321
367 – 221 村松 100 (20, T20, 20)
100 (20, 20, T20) Zoran 267 – 221
267 – 164 浅田 57 (20, 19, 18)
60 (20, 20, 20) Mensur 207 – 164
207 – 100 村松 64 (19, 20, 25)
60 (20, 20, 20) Zoran 147 – 100
147 – 80 浅田 20 (20, ミス, アウト)
131 (20, T20, T17) Mensur 16 – 80
16 – 25 村松 55 (5, 25, 25)
12 (ミス, 8, 4) Zoran 4-25
4-16 浅田 9 (9, ミス, ミス)
4 (D2) (19本)2-3

レグ5/ラウンド1

浅田プロ: 綺麗に、20の右下、左中、中上と180を決める。3回目。
Mensur : またT20の上に刺さりS20、T19狙いに切り替えT19T19。134。

レグ5/ラウンド2

村松プロ : T20の上に大きく外れS20、2投目T20、3投目上に外れS20。縦にずれるが横にはずれず、一直線にダーツ が並びました。
Zoran : T20の上、下にS20外した後、T20。相変わらず、ダーツ はばらつくが、T20に入れてきました。

レグ5/ラウンド3

浅田プロ: T20の真ん中の上に外れS20、T19狙うがこれもT19の真ん中の上に入りS19、どちらも塞がったのでT18狙ったがS18。上がり目の164にアレンジした形になりましたが、T20、T19ともに上に刺さったためT18を狙った様子にも見えます。ともかく、浅田プロに期待するのはそんな調整ではないのでどちらでもよいです。
Mensur : T20の上に外れてS20だが、そのままT20を狙った。2本目、3本目もS20に入り60。

レグ5/ラウンド4

村松プロ : 164残からT19-T19-DBを狙うが1投目S19に外れ、145からS20。125残となって、ブルへ。S25となり、100残と良い数字に調整。
Zoran : T20の上、下に外し、3本目も下に外し、60。

レグ5/ラウンド5

浅田プロ: T20の真上のS20に入り、80残となったところで、一回構えたが、外して、体を左右に動かし、T20が狙えないことに気づいた様子。相手は147と上がれる数字になっているためD20狙いへ。しかしD20の真ん中上に外し、3投目はバウンスアウト。D20の真上に刺さったダーツ のフライトに当たっているので軌道を考えるとS20を狙ったようですが、80残となりました。
Mensur : 147からS20で127。127から T20で67。67なら T17で16残。上がることはできませんでしたが、後1ラウンドで確実に終われるところに持っていきました。

レグ5/ラウンド6

村松プロ : 80残から5に外し、75。 75からT17方向へ顔を向けるが、考え直し、ブルへ。S25。50残。そして、サイズの合わないシャツを直して、ブルを狙いましたが、S25。相手は確実に次に上がってくる数字の状況の中で、75からT17D12は狙いが大きく移動しますし、S17に入ると、上がるチャンスはありません。それでSB-DBに掛けたのかもしれません。最初にDBに入ったらこれも上がるチャンスはありませんが、ナイストライと言えます。浅田プロはこのトライを楽しんだようでニコニコしていた。
Zoran : 16残で、なんとD8をアウトに外し、インに外し、3投目はD4をインに外し、上がれず。Mensur 呆れた顔で天を見上げる。

レグ5/ラウンド7

浅田プロ: 25をS9に入れたあと、D8をアウト、アウトに外し、上がれず。
Mensur : 4残をD2のど真ん中に刺し、第5レグを取った。右手をあげ、にこりともせず、大きくため息を吐くMensur。AUS-JPN 2-3。

【レグ6】

100 (20, 20, T20) Mensur 401 – 501
401 – 442 浅田 59 (20, 20, 19)
100 (T20, 20, 20) Zoran 301 – 442
301 – 346 村松 96 (20, 19, T19)
137 (T20, T20, 17) Mensur 164 – 346
164 – 169 浅田 177 (T20, T20, T19)
45 (20, 5, 20) Zoran 119 – 169
119 – 32 村松 137 (20, T20, T19)
87 (7, T20, 20) Mensur 32 – 32
32 – 8 浅田 24 (ミス, 16, 8)
24 (ミス, 16, 8) Zoran 8-8
2-4(16本) 村松 8 (D4)

レグ6/ラウンド1

Mensur : T20左下にS20、大きく下に S20とした後、3本目にT20。100 点でも厳しい表情。
浅田プロ: T20 の下、上にS20二本の後S19。59点。

レグ6/ラウンド2

Zoran : T20の後 大きく下に外してS20S20。 ばらついても一本はT20に入れるZoran。100点で301残。
村松プロ : T20の下に外し S20。浅田プロとは逆に下に入るとT19に切り替え。S19(T19上)、 T19。96点で346残。

レグ6/ラウンド3

Mensur : T20 T20 S17。164に調整。191残の後、カメラはT20に寄りそうになりましたが、T17へ。S20に入っても161で上がり目だが、191からT17に入れば、140残になる上に、S17に入っても164はT19-T19-DBを狙えるので、狙いが変わっても、ダーツ が詰まっているT20よりT17のほうが良いという判断になったと思われます。
浅田プロ: 346残からT20 T20 T19。177点。Mensurがよくできたと思った直後にこの高得点は素晴らしい。169残となりましたが、4本連続でトリプルに入った結果なので、これはアレンジミスによるものではありません。強いて言えば、受け取った346は180で166となるので、2ラウンド目に調整できれば良かったのですが、村松プロは3本目トリプルに入れたので調整できませんでした。さらに遡れば1ラウンド目に浅田プロが442を残さないように、S20に入ったら19、18と狙いを変えて444残(180,100で164残)とすれば良かったのですが、普通ここまでしません。やるのはガーウェンぐらいでしょうか。(余談ですが、ガーウェンが1ラウンド目でS20-S19-S18をやる理由が当初分からず、死のガーウェンサークルと呼んで楽しんでました。)さて、浅田プロの3投目、T19狙いは詰まったT20狙って180狙うよりも確実にT19トリプルに入れるて追いつくことを選択したと思われます。

レグ6/ラウンド4

Zoran : 一本目大きく上に外し、S20、2本目T5、3本目は下に外しました。これまでばらついていてもT20に一本は入れていましたが、T5に入り、45点。119残と、あまりMensurにとってはありがたくない数字に。3本目はT19に狙って120に揃えてMensurに渡すべきでしたが。Mensurがまたもや目をそらしました。
村松プロ : 169と変な数字からS20 T20 T19 で32に揃え、完璧な御膳だて。

レグ6/ラウンド5

Mensur : 119残からT19狙いで痛恨のS7、上がれなくなりました。思わず顔をしかめて、何かを叫びました。「こんな数字残しやがって!」と言ったかどうかはわかりません。ここで112残。そのあとT20、S20として32に合わせました。T20、S20は入れてきました。120残だったらT20、S20、D20・・・。
浅田プロ: D16を外に外し、次に内に外し、D8も内に外し、8残とします。第5レグではZoranが16残を処理できませんでしたが、こう言うことがありますので諦めてはいけません。

レグ6/ラウンド6

Zoran : 32残から、D16から大きく外し、D8の外、2投目、S16、3投目S8と、決められず。Mensur腕を振り上げ、頭にきている様子。
村松プロ : D4一本目で決めてガーウェンばりの雄叫び。 AUS-JPN 2-4。5レグ先取なので、日本はあと1レグ。7レグ目は日本先攻。動揺を隠せないオーストリアチーム。

【レグ7】

501 – 457 浅田 44 (5, 20, 19)
81 (20, T20, 1) Mensur 420 – 457
420 – 361 村松 96 (20, 19, T19)
100 (20, 20, T20) Zoran 320 – 361
320 – 303 浅田 58 (20, 19, 19)
95 (20, T5, T20) Mensur 225 – 303
225 – 245 村松 58 (19, 19, 20)
100 (T20, 20, 20) Zoran 125 – 245
125 – 180 浅田 65 (20, 20, 25)
85 (インブル, 17, 18) Mensur 40 – 180
40 – 85 村松 95 (20, T20, T5)
0 (ミス, ミス, ミス) Zoran 40 – 85
40 – 25 浅田 60 (15, 20, 25)
40 (D20) Mensur (19本)3-4

レグ7/ラウンド1

浅田プロ: T5とT20の交差点のS5。その横のT20の上にS20、T19狙いに変えて S19。 44点。まあ、そんなこともあると言う感じ。
Mensur : S20 T20 S1とS1でまたもイライラが頂点に。ダーツ を取りに行く顔が怖い。

レグ7/ラウンド2

村松プロ : T20の直下のS20、T19の直上のS19、3投目はT19。
Zoran : T20のかなり上にS20、S20の左下角にS20、T20の右角ギリギリにT20。

レグ7/ラウンド3

浅田プロ: T20の真ん中上のS20にまた入ってしまう。T19に切り替えてT19下にS19二本。
Mensur : T20下にS20、T20の左にT20、真ん中にT20で140点。

レグ7/ラウンド4

村松プロ : 303残でT19から入りS19、284。 284から2投目もS19で265。3投目はS20。303から19の7倍(トリプル2本、シングル一本)133で上がり目の170というイメージが合ったと思われます。二本シングルに外れたので、2本目がS19に入ったとき、あ、ダメだったかという顔をしてT20狙いに切り替えています。
Zoran : T20のあと、T20右下にS20二本で100点。珍しくグルーピングしました。オーストリア125残とし、日本245に対して大きくリードし、100点削りましたが、なんとなくZoran元気がありません。あまり器用そうではなく、基本20狙いで、119残したり125残したり、結構難しい数字残します。

レグ7/ラウンド5

浅田プロ: 245残からT20を下に外してS20、次に上に外してS20、3投目は205残からまたT19かと思いきやブル狙いでSB。180残へ。村松プロが140出してくれればD20で決められるという思惑か。
Mensur : 125残からDB、75残からT17をS17に外し、58。S18に入れて40に調整。どっちがセカンドだかわからない展開に。

レグ7/ラウンド6

村松プロ : 少し上に外してS20 160残、次にT20で100残、T20欲しかった3本目は左に外してT5。85残。
Zoran : 16もらって外し、32もらって外してきたZoran。40をもらって、3本ともすごいグルーピングで上に外し、決められず。Mensur怒りを通りこして虚ろな表情から大きなため息。Zoranに背を向けグータッチもせず。

レグ7/ラウンド7

浅田プロ: 85残からT15-D20を狙ったがS15に外し、70残。70残から二本持ちなのでT20-D5またはS20-DBを狙ってS20へ。ちょっと外して集中し直してブル狙ったが、惜しくもS25。
Mensur : D20。一本で決めるが全く喜ばず。D20を3本外したZoranもうつむき気味。AUS-JPN 3-4。後のない状態が続くオーストリア。

【レグ8】

95 (20, T20, T5) Mensur 406 – 501
406 – 361 浅田 140 (20, T20, T20)
82 (20, 5, T19) Zoran 324 – 361
324 – 184 村松 177 (T20, T20, T19)
136 (T20, T19, 19) Mensur 188 – 184
188 – 140 浅田 44 (20, 20, 4)
140 (T20, 20, T20) Zoran 48 – 140
48 – 40 村松 100 (20, T20, 20)
48 (20, ミス, D14) Mensur (15本)4-4

レグ8/ラウンド1

Mensur : T20の下にS20、2投目T20左側、3投目T5の右隅で95点。もどりながらブツブツ言って怖い顔している。
浅田プロ: T20の下にS20、T20の真ん中、右隅にT20で140点。

レグ8/ラウンド2

Zoran : T20から大きく外してS20、S5だが T19に入り82点。ばらつくのに一本はトリプルに入れる。
村松プロ : 1本目にT20の真ん中、2本目に左隅に入れて241残の後、T19に入れて177点。浅田プロがT20の上に入れてT19に切り替えるパターンが多いので、T20-S20-T19の137点を出したあと40残となる数字。

レグ8/ラウンド3

Mensur : 一本目T20の真ん中上にT20。2本目もT19の真ん中へ。3本目はS19。136で188残へ。
浅田プロ: T20の下、上にちょっと外してS20に二本で144残。3本目T18で90残狙ったがS4に外れ140残。

レグ8/ラウンド4

Zoran : T20の左に入りT20、2本目は下に外れてS20だったが、3本目にT20の右側に入り140点。48残へ。
村松プロ : 140残から、S20、T20の後、S20で40を残す。

レグ8/ラウンド5

Mensur : ZoranはT20狙っているだけだがたまたま48残となり、S20の後、一本はずすが得意のD14で第8レグを取り、4-4のフルセットになった。Mensurから笑みが溢れた。

【レグ9】

501 – 401 浅田 100 (T20, 20, 20)
180 (T20, T20, T20) Mensur 321 – 401
321 – 357 村松 44 (5, 20, 19)
70 (5, T20, 5) Zoran 251 – 357
251 – 177 浅田 180 (T20, T20, T20)
50 (20, T5, T5) Mensur 201 – 177
201 – 40 村松 137 (20, T20, T19)
41 (20, 1, 20) Zoran 160 – 40
4-5(14本) 浅田 40 (20, D10)

レグ9/ラウンド1

2-4から4-4に追いつかれて最終レグ、グータッチしてスタート。
浅田プロ: 一本目T20の真ん中上でT20、2本目、T20の下のS20、3本目もT20のすぐ下にS20。100点。まずまずのスタート。
Mensur : T20左、T20真ん中、T20その間で180。日本先攻だがいきなりオーストリアが優位に立ちます。

レグ9/ラウンド2

村松プロ : S5 の後、S20 がT20の下に入り、T20が隠れたのでT19狙いでS19。
Zoran : S5の後、T20、そしてS5。かなりダーツ はばらつくがT20に一本は入れてくるのは一貫しています。

レグ9/ラウンド3

浅田プロ: T20の左にT20、そのさらに左にT20、その上にT20で期待に応える180。ここにきて、最も重要な局面で4回目の180 。なんという爆発力でしょう、177も一回あるのでトリプル3本は5回目。


Mensur : かなり良いグルーピングだがS20、T5、T5。天を仰ぐMensur。

レグ9/ラウンド4

村松プロ : 177から、S20にいれ157にした後、 スムーズにT20に入れ97、そしてT19で40残。上がるためのアレンジだけでなく、揃えるためのアレンジも完璧に頭に入っているし、イメージが出来上がっている。全体を通じてどんな状況下でも数字の組み合わせを自由に変えて閃くことができる素晴らしい働きをした。
Zoran : T20の上にS20、内側のS1に外し、スコアを確認して内側のS20。41点で160残。この試合中、Zoranは、ダーツ はバラついているのにT20に一本はいれてくる不思議な選手でしたが、ここはT20に入れられず。

レグ9/ラウンド5

浅田プロ: 40残から、D20の内側に入りS20。上に刺さってしまうと当てにくくなる軌道なので一本目から当てにいった。ZoranがD20の外に3本外したのと比べて攻めている。そしてD10の真ん中へ。

日本チームの勝利。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

この偉業が語ることは多いです。優れた技量を観せただけでなく、自信、信頼、勇気、勝つという気持ちが試合を通じて溢れていてその大切さを魅せていました。将来、こんなことはもう起こらないかもしれませんし、当たり前に起こるようになるかもしれません。ダーツ は忘れ去れるかもしれませんし、今よりももっと人気のあるスポーツになるかもしれません。どちらにせよ、この快挙を残しておきたく、記事にしました。

カテゴリー: PDC

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