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ダーツプレイヤー投げ方比較(2) PDC トッププレイヤーは回内してるのか 

 これまでにPDCのトッププレイヤーの投げ方やダーツの比較をしてきましたが、調べていないことの中でどうしても気になることがありました。 手のひらの向きの動きです。 「ダーツ プレイヤー投げ方比較考察 PDC トッププレイヤーに共通する特徴」で調べたように、ほとんどのプレイヤーは、程度の差はありますが、テイクバックの時には小指側がボード側で、親指側が自分側にきています。つまり右利きなら手のひらは左を向いています(以降、右利き前提で、左を向くとします)。 テイクバックの時に手のひらが上やボードに向いているプレイヤーは存在しますが、少数派でした。投げ終わった時に、ほぼ全てのプレイヤーの手のひらは下を向いていました。

 小指側をボードに向けて(手のひらを左に向けて)テイクバックして、そのまま手を振り下ろしたら、小指が下に、握手を求めるかのように手が前にでるはず。しかし、平和記念像のように、手のひらは下を向いているのです。

 そうなるということは、手のひらを捻るように下に向ける動きが、スローの動きの中のどこかで起こっているということです。どうして、どこで起こって、どうやっているのか。PDCトッププレイヤーの写真で調べてみました。

ダーツを持つ手の向きの分類

下の写真は、2022/8/7現在のPDCランキングのトップ14人の、右からテイクバック、リリース直後、フォロースルーの手の写真です。同じスローの写真ではありませんが、なるべく真横からの写真を選びました。おおよそ以下の3つに分類されます。

  1. 壁ドン派 小指をボード側に向けて(手のひらを左に向けて)テイクバックして、リリース直後には手のひらはすでにボード側に向いて壁ドンしたみたいになっている。そのまま腕を伸ばして手のひらは地面に向く (9人)
  2. 横向き変化無し派 小指をボード側に向けてテイクバックして、手は捻らずにそのままリリースする。しかし、フォロースルーまでには手のひらを下に向ける。 (2人)
  3. もとから派 もとから手のひらを上に向けてテイクバックし、手は捻らず手首を起こしてそのままボードに手を向けながらリリースして、フォロースルーで自然に手のひらが下に向く。(3人)

1. 壁ドン派 

Peter Wright (2)
Michael van Gerwen (3)
Michael Smith (4)
James Wade (5)
Jose de Sousa (6)
Jonny Clayton (7)
Rob Cross (8)
Joe Cullen (13)

 Jonny Claytonのリリース直後の写真は、小指が下に見えますが斜め前からの写真なので、実際にはほとんど手のひらがボード側に向いています。Michael Smithのリリース直後の写真も斜め前からで、実際にはもっと手のひらがボードに向いています。

 つまり、リリースの直後ではすでに手のひらはボードに向いていて、「壁ドン」みたいになっているわけです。程度の差はあれ、リリースしてからこのリリース直後の位置にくるときに手のひらがボードに向いているので、テイクバックからこのリリース直後の間で、手を捻る動作が加わっていると思われます。

2. 変化なし派

Gary Anderson (9)
Dimitri Van den Bergh (14)

 Andersonとvan den Berghはテイクバックで小指がボード側になっていますが手のひらの向きにあまり変化がありません。

3. もとから派

Danny Noppert (10)
Gerwyn Price (1)
Dirk van Duijvenbode (12)

 Noppert, Price, Duijvenbodeは、てのひらが上を向いていて、そのまま投げている感じです。手首がよく効いている感じです。

どうやって手を捻っているのか

 肘が曲がった状態で、左に向いた手のひらを下に向けるためには、肩を動かさずに肘から前腕(ひじから手首までの部分)を回転させるしかありません。これは解剖学的に回内と呼ばれている動きだそうです。

 手を伸ばした状態なら肩から上腕前腕を回して手のひらをしたに向ける(これは内旋と呼ばれている)ことができますが、肘を曲げているとできませんし、内旋が入るとリリースまでに肘が外向きに動くか、手首が内側に倒れることになりますし、肘窩が横をむくと思いますが、トッププレイヤーでそのような動きになる人はいないと思います。

なぜ手を捻るのか

 手を捻るという回内動作を加えることによって、動作が複雑化しますから、不安定さ、不確実さが増す様に思えます。 しかし、多くのプレイヤーが意識してかせずか、そういう動きをしています。 

 野球では回内して投げることが、重要視されているようです。「腕が回内することで上腕二頭筋が緩み、肩甲骨が外転するために、腕を前にだす」ことができ、「腕を加速させる範囲を大きく取ることができる」そうです。(参考リンク1参照) 故障を防ぐためにも必要だとか。

写真 回内して投げる斎藤佑樹氏 先日の始球式にて
   よくみると手を捻って投げている。始球式なので変化球ではない。

 知りませんでしたが、槍投げでもそのようです。 ダーツの場合、腕を前に出すことがそれほど重要だとは考えにくいです。しかし多くのトッププレイヤーが取り入れている以上、なんらかの理由があると思われます。

動画 「やりも投球と同じく内旋させて投げる! 」 上腕の内旋=回内

 力強くものを投げるという動作では、回内するということは、どうやら常識のようでした。

このドリーさん作成のスロー動画は、とても回内がわかりやすいと思います。 ギャリーは回内していないことも分かります。

とにかくやってみる

 解剖学や運動についてきちんと体系的に学んだ人はなんらかの説明がつくのでしょうけど、ダーツにおいてなぜ回内させるのかは、私なんかがネット情報で理屈を構築して書くと、とんでも理論になるのでまずやってみるのがよいと思います。

 回内しない場合と回内する場合です。 まずゆっくり手を動かしてみます。すると回内すると捻るので窮屈な感じがします。回内しない場合はするすると自由に動きます。しかし、気付きませんか! 回内すると力が入って安定感がでませんか。 この感じ、例えが思いつきません。 電車の中で何も捕まらずに立っている感じと、ドアの横のスペースで寄りかかって立っている感じの違いです。 フラフラするとのなにかガイドがある感じ。 なんでしょうこれは。 

 そして投げてみます。 回内すると力が乗ってすっ飛んでいきませんか。回内していなかった人は、これまでと飛びが違うので狙いのところに行かないかもしれませんが、安定して力強く飛ぶ気がします。しばらく意識してやってみようかと思ってます。

 もともと 回内してた人は、当たり前かもしれません。

※これは調査結果です。回内してなくて、投げ方固まっていて現状キープが目標の人で、これみてなんとなく試したくなってたらごめんなさい、お願いですから忘れてください。なんとなく危ない領域に入ってる自覚はあります。怪我する可能性があります。壊れる可能性があります。そうなったらツイートするのは自由ですが私は知りません。自己責任でお願いします。

回内で気を付けなくてはいけないと思うこと

しかし不自然に回内を意識しすぎるとダーツが横ずれするかもしれません。いや、しますよね。 まあ、これは当然ぽくって、下の図は上から見た図で肘や手首を回転の中心とした場合(左)と、ダーツのグリップ位置を直線上に持っていった場合(右)の図です。回内を意識しすぎて、こねてしまうと、左の図のようになって、ダーツは上から見て時計回りに回転して、少しのリリースタイミングのずれによって右にいったり左にいったりすると思います。ダーツをグリップした位置が、リリース時付近のタイミングで狙いに向けて真っ直ぐに動いていれば、多少リリースタイミングがずれても安定した飛び方になると思います。上手い人は、ダーツの向きも安定してリリースできていると思います。

図右側の動きが複雑で難しいです。簡単にはできそうにありません。安定させるにはかなり練習が必要でしょう。おそらく極めたころには、回内だとか回転中心とか全く意識しない人になっているでしょう。サウイウモノニワタシハナリタイということろで、ダーツの面白くも深いところに落ち着きました。

 リリースしているときに回内してないとダメだとかクールじゃないとかそんなこと言うつもりはありません。ただ調べてみると上腕を回して手首を回すという動きをしているトッププレイヤーが多いということと、その動きにスローを安定化させる意味がありそうだという考察でした。また、意識しすぎるととんでもなく横ずれしますよねというお話でした。

ひでわんダーツの他のトッププレイヤー調査結果

カテゴリー: PDC

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